■『「ありえない」をブームにするつながりの仕事術』の発送がだいたい終わった。213人の支援者に対して300冊ぐらいを送るのは大変だった。思っていたより複雑だった。89冊の発送とか普通ないし(笑)。だがなんと言っても、一番お疲れなのが著者の佐谷さん。一人ひとりの個別のメッセージを見返しに書いていたからだ。使っているペンは3本め。書籍が到着すると、オンラインコミュニティーにそのページをアップする人が続出。自分だけの書籍になった証拠だ。
■以前、支援したプロジェクトでは、手書きの丁寧なお礼メールが来たけれど、それは明らかに本人の手書きではないことがわかってしまった。自分で書かなければ(=どこのだれかかわからない手紙であれば)入力したものでいい。サイン会のサインは、本人を目の前にして書く。今回は本人は目の前にいないけれど、それを事務所で黙々とやったことになる。年賀状もすたれつつある文化となっているが、手で文章を書く、ということは、その人に短い時間であれ、思いを馳せるということだ。その証となるから、うれしいのだ。印刷だけの年賀状からはそういう感覚は生まれない。
■そんなことを考えていたら、書籍が届きすぐに読んだ人から、まとめ買いの注文が二人から入った。実は第3回めのクラウドファンディングをしている。何もCAMPFIREなどのプラットフォームを使ったファンドレイジングだけがクラウドファンディングではない。こういうところも常識を疑ったり、当たり前を疑ったりしないと出てこない発想だ。ふたりとも「周囲の人に配りたい」ということらしい。これからも増えそうな気がする。オンラインコミュニティーでは、この本の感想をシェアする会をやろうという声も上がったりしている。
■かつては作って終わりだった本との関わりから、ひとり出版社になり販売にも関わるようになり、今回はファンドレイジングから販売までがっつり関わっている。オンラインコミュニティーでの企画も次から次へと生まれ、実行され、面白い。書店への告知はこれからだけど、新しいことができそうな感じがする。
■何かをやるには、仲間のチカラが必要だ。社員として雇うとか、アルバイトに来てもらうとかいうことではなく、ゆるいつながりを保ちつつ、ピンときた人たちを応援をし合うという感覚かもしれない。ひとのチカラを借りることは昔から苦手だったということにも気づく。自分のことは自分でやらないとけない、と思っていたような。
■でもお願いできたら、お願いしたほうがいい。楽しくお願いできればもっといい。借りたものは返さなければというモチベーションが次につながる。お金を払うということは、その場で一旦精算するということだ。もちろんそれが大事な場面は多いけれど、そうでない方法があってもいい。どこかの本に「投げ銭ライブを企画したけれど、うまく行かなかった理由は、お金を投げ入れる行為は、自分の中で精算していることだ。だから次の集客につながらない」と書かれていた。予想外によかった、意外に楽しかったのであれば、お金を払ってでもまた来ようという気になる。それこそが一番大事なことだろうと思う。払う側にそう思ってもらうことが払ってもらった側の使命だし、払ってもらった人のことを考えつつ、自分も楽しめれば必然的にそうなる気がする。いろんなことを学びながら、これからもどんどん楽しいことをやっていきたい。