何か新しいことを始めるとき、既存の業界のしがらみとか常識とか権力構造から離れて、「そんなの関係ない」とか「やりたいことはやる」と言えた人が突破口を開けるのだと思う。既存の業界の中でやりたいことを考えると、必ず競争に陥り、だいたい大企業が勝つ。その業界の仕組み自体が大企業同士が集まって考えたものだからだ。
フリーの業界だって同じ。めちゃくちゃ有名なフリーランスの人がいたとして、その人に憧れを感じて、そこを目指すのはいいのだけど、そこを目指す人は無数にいる。その競争に勝つのも至難の技だ。
そういう土俵から離れて、そもそも自分がやっていることはだれにとってどんな意味があるのか」を問うことから始まるのだと思う。ただ、これをいくら自問自答しても、糸口が見えないことが多い。なぜならば、自分自身がその業界の常識にどっぷり浸かっているからだ。
しかるべき人の意見をちゃんと聞いて、その話に自分の内部で可能性や将来が感じられて、実行しつづけると光がみえてくると思っている。自分自身、まだまだ大きな光は見いだせていないけれど、前に比べれば、だいぶ見えてきた。
自分の話をこの間業界の人に話すと「そんな形で本を出したい人っているのですか」と聞かれたけれど、それこそが聞きたかった言葉かもしれない。かつての自分の話だったら、絶対にそうは言われないし、インパクトもナシだった。
「そんなの関係ない」「やりたいことをやる」と言えた人がどこの業界に新たな風を送るのだと思う。