野球の野手は複数ポジションを守ることはよくありますが、ピッチャーとキャッチャーはそれ以外のポジションにつくことはありません。それだけ専門性が高いということです。球種が問われるのはピッチャーだけだし、ボール一個分のコントロールが問われるのもピッチャーだけです。キャッチャーは、各バッターの強いコース、弱いコースをインプットして、サインを出し、ピッチャーをリードします。ふつう野手がこのポジションにつくことはありません。当然、ピッチャーとキャッチャーが入れ替わったら、試合になりません(サッカーで言えば、フォワードとディフェンダーが入れ替わるようなものでしょうか)。バッテリーは専門性が高いのです。

バッテリーが持っている専門性を身につける

自分たちの仕事もバッテリーが持っているような専門性を身につけるべきだと思っています。ほかのポジションの人には取ってかわれないポジションです。ただピッチャーは目指す人が多いから、自分は外野もやってしまおうかな、などと考えてしまうことがあります。複数のポジションをこなせますと言った方が、使ってもらえるのではないかと思ってしまうのです。そう考えた方が安心なのです。ラクをしているとも言えるかもしれません。

何でもできるは何にもできない

しかしながら、(自分の経験からも言えることですが)そういう戦略は失敗します。それぞれのポジションにはエキスパートがいるからです。ある知人(料理人)が、「なんでもできるはなんにもできない」とか「プロの仕事は一生にひとつ」などと言っていることを聞いたことがありますが、専門性を高めないと仕事にならない、というを語っているのでしょう。ピッチャーと打者との二刀流にトライしているプロ野球選手が、あれだけ騒がれているのは、それだけめずらしいからです。プロ野球史上初と言ってもいいほど、まれな人材なわけです。

何でも書けるは何にも書けない

以前、出版の企画を持ってきた人が、「何でも書けます」と言っていましたが、やはりその人には、仕事はお願いできませんでした。「何でも書けるは何にも書けないかも」と思ったからです。このことは、自分の仕事にもそのまま当てはまります。自分しかやれないことを探さないといけません。

まとめ

2年ぐらい前の高校野球予選(西東京決勝戦)で、キャッチャーが試合途中に、いきなりマスクやプロテクターを脱ぎ捨てて、ピッチャーとして登板したことを見たことがあります。でもそんなシーンはプロでは見たことはありません。専門性が高くなればなるほど、ほかのポジションを掛け持ちできないということです。専門性がいかせる場所を選びたいですね。

==【昨日の活動・所感】==================

・8月2日のトークイベントは、定員になりました。お申し込みくださった皆さま、ありがとうございました。楽しい会にしたいです。

 

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