校了作業がずっと続いていて、ようやくココまできた、という感じ。ふうー。まだ終わっていないけど。

編集者の仕事は何?と聞かれ、「雑用」とか「黒子」と答える編集者は少なからずいるだろうし、自分もかつてそう思っていたことがある。細かいことが実に多いし、なんでも屋のような気持ちになるのは事実だ。著者が変わればプロセスはかわるし、印刷所やデザイナーがかわれば進め方も変わる。自分のやり方はあってないようないものだ。思い通りにならないことのほうが多い。

でもそれは雑用ではなく、やはり本を作るために必要なプロセスなのだと思う。メインの仕事も雑用の区別もない。自分は著者の伴走者だと思うようになってから、いろんなことがスムーズにできるようになった。著者とふたりで走ってゴールすることがお互いの目標と考えれば、役割は明確になる。一緒に走っているから、ときにはこちらがリードするし、ときには待つし、けんかもするし、一緒にゴール向かって突き進むときもある。苦楽はすべて一緒、終わった時は戦友となる。こういう感覚を持てることが編集者にとっては財産になる。

今や自分たちで本を作って売れる時代。きちんと本を作ることでお役に立てなければ、編集者の意味はなくなると思う。とりあえずの本を作るだけだったら、だれでもできる。今回作った2冊の本は、いずれも1年を超える製作期間。さんざん見慣れた原稿でも赤字を決めるのに猛烈に時間がかかったりする。半年ぐらい前に書いた原稿を見返したりする。最後になればなるほど細かいことでの連絡は多くなるし、気も張り詰める。紙に印刷する文字を固めるのに、こんなに時間がかかるものか、といまさらながら思ったり。

ただ読者に「こういう苦労をしたから買ってください」という論理は伝わらない。この苦労は、著者と共有するものだと思う。お互いが「あなたがいたからこの本ができました」と思えることーこれが自分の価値観なのだと今更ながら実感する。

~書籍情報・西荻窪の玄米菜食のお店「米の子」亭主が語る素材と感謝 亭主啓白~

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