編集作業には、原稿整理といって、著者からあがってきた原稿を読み、修正や加筆をする過程があります。原稿を読みながら、原稿に手を入れるのですが、無意識的にこの作業をしているときがあります。無意識的、というところが危険だと思うのです。

フィルターを意識する

原稿は同じでも、編集者によって、手の入れ方が変わります。言うまでもなく、各自が、自分というフィルターを通しているからです。なので(実際には、試したことはないのですが)原稿整理が終わった原稿はそれぞれの形になるはずです。本当に理解するためには、自分の考えを外して、相手のことを受け入れられればいいのですが、自分のフィルターを通してみるしかないのです。

原稿の真意をゆがめていないか

フィルターを通して読んでいる意識が高くなると、自分の考えて相手の書きたいことをゆがめていないかを注意することができます。フィルターを通していることに無自覚のまま、手を入れると、著者とのトラブルを招く可能性があります。完全に理解するためには、フィルターの自覚が不可欠です。

著者に同化する

まずは自分の考えでなく、著者の原稿をそのまま読む。必要なのは、フィルターを外すことは不可能なものの、自分の考えを外して原稿とどこまで向き合えるか、それを突き詰めることによって、著者に同化する感覚を持った上で、原稿を理解する姿勢だと思っています。手を入れるのは、そのあとの過程です。どうしても腑に落ちない、ちょっと読みにくい、構成がわかりにくいかもしれない、などの視点で原稿整理をすべきです。

まとめ

この意識は、もちろん初校、再校などで赤を入れるときにも同じです。安易に赤を入れないことが必要ですが、これには時間が必要です。じっくり読む時間、じっくり考える時間が必要だと思うのです。著者に同化する感覚です。この感覚が伝える力を増すのではないかと思っています。

==【昨日の活動・所感】==================

・ランチ会のあと、父親の見舞いに行って、体験コンサル。クライアントのいろいろな人生に向き合う。夜は、ラン仲間と会食。

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