最近、長い距離を走っている友人の話を聞くたびに、やっぱりほしいものは簡単に手にはいらないなと思う。だれもがもっと簡単に楽に達成できる方法はないかと考えるのだけど、やっぱりそれはないので日々練習に励むしかない。むしろ自分は人よりできない、という焦りが人一倍の努力をしているように思える。だからスゴイ実績を残している人でも「自分には才能はないから」となどと口にする。本人にすれば本心なのだろうけれど。

4月から参加していたハセツネの安全走行講習会は、そういう人たちの集団だった。ガンガンに登山をやっている人も、サブ3の人も、ウルトラトレイルを主戦場としている人も、あの場にいると「まだまだ」感が強い。それはより高みを目指しているからこそ思えることだし、自分の可能性を信じているから思えることなのだろう。だから、いつも謙虚だし、前向き。

自分はといえば、そんな彼らを前に、「自分はこの人たちと同じコースを本当に走れるだろうか」と何度も思ったし、今でもその思いはある。だけど、やっぱり自分のペースで行くしかないなとも思う。やったことしか結果はついてこない。講習会の中身も素晴らしかったけれど、本当に山が好きで、走ることが好きな人たちに出会うことができたのは何よりもの財産になった。

仕事のつきあう人の中には、「おれはできる!」を誇示しているように思える人をたまに見受けるし、出版にいる人ってプライド高い人が多い。そのこと自体、一概に悪いこととは思えないけれど、それが原因に人間関係壊していると思うこともある。さらに言えば予算のことになると急に声が小さくなったり。それって、一緒に仕事をする人の価値を低く見たり、読者を低くみたりしている証拠なのではないか。自分より高い人を見れば、簡単にそうは思えないよね、と思う。数ヶ月前にそんな人たちとの仕事をやめることにしたにしたのだけど、これは『7つの習慣』でいえば、No-dealを決めたということだし、『道は開ける』で言えば、ストップロスオーダーの原則を適用したということ。こういう原則を知っていること迷いがだいぶ減る。仲間うちでやっている読書会の意味は大きい。

話を元に戻すと、すぐにやれるノウハウに落とし込むことは大事だけど、それをやり続けるのかは本人の価値観に基づいているかどうかによる。「続けられるか、習慣にできるか」がキー。だから「誰にもでもできる」的なノウハウ本はまったく興味がなくなった。ノウハウ書に書いてあることをやっても「すぐにできることはすぐにやめる」し、「すぐにできても結果には遠い」。どれだけやってもなかなか結果がでない時期は何事にもあり、その状況を打破しようとするモヤモヤ期が大事なのだし、好きだからそのモヤモヤ期も乗り越えられる。そういう時間が貴重なのだ。そう思うと、やっぱりほしいものは、なかなか実現しない遠くにおいておきたいと思う。

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