自分は比較的若いときから、上司を見ては「年齢と経験は一致しない」などと生意気なことを思っていました。もちろん当時の自分の若さゆえ、未熟さゆえ、勘違いしたこともありますが、基本的な考えは今でも変わっていません。

2年前の年末にやめた会社は、完全な年功序列の会社でした。勤続年数や年齢で「経験」が語られることが多く、入社年次が物事を決める際に絶対的な力を持っていました。

こういう文化の中だと、顧客満足を高めるための努力をしなくなります。そんな危険性を考えている矢先に起きた2011年の震災を機に、業績は急降下。

そのときに、会社がやったことは、会計の操作と、意味のない商品の出荷(=売上になる)と、現場(特に営業)に対して猛烈にプレッシャーをかけることのみでした(精神疾患者も出ました)。

そんなときに、歳をとって、しかくべき役職について、業績を上げる(あるいは立て直す)経験とスキルがなければ生きていけないだろうなと思いました(当然と言えば当然ですね)。そんな経験がこの会社で積めるだろうか…。

もちろん出版社はどこも苦しいので、業績を上げるなどとは簡単には言える状況ではないのは承知しています。それにしても、その場しのぎの小細工ではなく、厳しい時を乗り越える姿勢を会社がもっているかが、気になりました。

そんな疑問を持って、会社を去ってから2年。この決断とそこに至るまでの考えは間違っていなかったと確信しています。

会社にいたときは、自分にはわからなかったけれど、世の中には、年齢以上に経験を積んでいる人たちがたくさんいます。

必死に考えて、あるべき姿を模索して、それに向かって必死に行動して、失敗して、這い上がって、また挑戦して、を繰り返す人たちは、自ずと経験の量が違ってきます。単に年齢や年次でスキルをいい表せるはずはないのです。

今の自分は、1社目で「歳はとっているけれど、経験の少ないおじさん」と感じた元上司の年齢を超えています。私は、年相応の経験を積めているのでしょうか。それなりの知識を得ているのでしょうか(若い人たちに聞かないといけませんね)。

今後もこの問いを自問自答しながら、知識と経験とスキルを身につけていきたいと思います。

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