最近、会ったり、会食をする人は自分で会社をもっていたり、ひとりで仕事をしている人たちが多い。自分と同じような環境なので、必然的に仕事の話で盛り上がる。

いろんな成功例も失敗例も共有するのだけど、共通しているのは、お客さんに向き合う姿勢やその仕事をどれだけ愛情を注ぎ込んでいるかによって「ビジネスの向き」が変わるということだ。どの人も、右肩上がりにいかないし、いろんな紆余曲折があるのだけど、相手のニーズを知りとそれに基いた自分の仕事に猛烈に向き合わないと失敗するよね、ということを知る。猛烈にやりたいこととお役に立てることの交差点を探り続けるということなのだと思う。どんな小さなことでもよいはず。だけど、それは世の中に認知されていない仕事のこともあり、それを世に出すときには不安に思ったり、躊躇するのだけど、小規模事業者は不可欠なことだと思う。

こう書くと、そんなに難しくないようにも感じるけれど、実は自分という存在の意識が高すぎると失敗する。「自分はこんなことをやってきて、こんな実績があって、こんなことができます」の一辺倒だと聞いているほう(買おうかなと思っている人)は辟易する。「自分の仕事にプライドは持つべきだけど、相手に寄り添う姿勢が大事」という主旨のことを先輩経営者は力説していた。

自分の魅力をどう伝えればいいのか、は絶えず考えなくてはならず、価値を感じてもらえないと仕事は発生しないし、仕事が発生したとしてもお客さまの問題解決をしなければビジネスは成立しない、ということ(もっとシビアなことを言えば、自分の魅力を感じてもらえるために自分自身を高める努力をし続けるということなのだろうけれど)。

これは書く時も同じことなんだろうな、と思った。読み手の疑問に応えることが文章の書くときの基本とは、バーバラ・ミントの『考える技術・書く技術』でも言われていること(この本が単なる書き方の本なのではなく「考える技術」としているところが意味あることなのだろう)。書きたいことはひとまず脇に置いて、だれに向かって、どんな気持ちで読んでほしいかなどを考えることから書くことを始めてもいいかもしれない。

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