ハネムーンマラソンのお二人が先日事務所にやってきた。千葉慎也さんと梨沙さん。たまたま『ソトコト』で目にした記事(半年間で13か国のマラソンを完走!『ハネムーンマラソン〜世界一周ぐるりRUN』)に飛びつき、申し込んでみた。「なんでそんなことしているの?」と聞きたくなる世界が好きなのだけど、お二人のやってきたことはまさにツボだった。走って届けてもらえるらしい。

約束した日時にやってきたお二人にテンションがあがり「ホントに来た〜」を発し、とにかく座ってもらって自分の「??」を聞いてみた。ほとんどが本を読めばわかることだったけれど、丁寧に答えてくれた。頭では理解できるけれど、やっぱり実行できる力がスゴイと思った。

ソトコトに書いてあった「出版社を探したがぴったりと合う会社が見つからず、なんと自ら出版社を起業」の詳細を聞いてみた。ここは自分の最大関心事。「企画書を持っていって、OKもらったところもあるんですけどね。なんか違うなと思って。それよりも、人と出会えるツールにしようと思って」。書籍を流通に乗せて、書店に到着しても、平積みになるのはごくわずかだし、ごくわずかの期間。あとは、棚にさされることに。背表紙しか見えない。大きな部数を刷れなければよりその傾向は強くなる。そんな状態でどれだけの人に認知してもらえるのだろうか。というのは自分が考えていることなのだけど、これに近いことをお話された。人と出会うツールというコンセプトも共感。

途中で「本はだれでも作れますよね」と。その言葉は、とっても新鮮で衝撃的だったけれど、その通りだと思った。自分が主体となって作りはじめ、足りない部分だけ人の力を借りればよい、ということだ。やや脱線するが、知り合いの経営者は、編集者を雇って自分たちの世界をわかってもらっている人たちに買ってもらったり、配ったりしている。会員が多いので、そのほうが圧倒的に利益率が高い。主体的になれば、事態は動く。

そもそも出版社を名乗るためには、どこにも届け出はいらない。出版業には監督官庁がない。ISBNは日本図書コード管理センターとやりとりをすればよいだけ。理屈を並べればこういうことなどだけど、当のお二人は、こういう理屈はすっ飛ばして、なりゆきで作り上げた気がした

書籍は、下手なビジネス書より、薄っぺらい自己啓発書よりよっぽど刺さった。行動を表現した書籍はめちゃくちゃおもしろい。しかもオリジナルのテーマソングが収録されたCDもついている。走って人生を変えるとはこういうことなんだと思った。これだけやりきったら世界は変わる。変わらないのは量が足りないからなのだと思わされる。こういう出版物が世に出るのは本当にいいなと思う。しかも走って届けるなんて、どう考えても素敵だ。これからが楽しみ。

http://honeymoonmarathon.com/

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