著者が持っているモノをできるだけ多く引き出して書籍に落とし込む内容を考えるというのが、自分のコンセプト。著者が書きたいテーマから離れることも多い。今の出版状況や著者が出版することの意味を考えると、その著者が書きたいテーマではなく、別の書くべきテーマがあると思うからだ。その手間はかかるけれど、手軽に作れる書籍と違って、また違った重みがあると思う。書くべきテーマはどうやって発掘するかというと、公式的なモノはないのだか、今取り組んでいる事例を紹介する。

その人の人生を表すキーワードを50個あげる

まず書きたいテーマにフォーカスをあてるのではなく、その人の人生にフォーカスをあてる。その人がどんな人生を歩んできたのか。書籍にする内容としては、「今やっていること」が含まれることが多いのだけど、やはり過去は大事。なぜそれをやっているか、その人にとってどんな意味があるかを知ることから始まる。この視点でまず50のキーワードを挙げてみることをお勧めする。

そのキーワードに対して文章をつける

キーワードがあがると、それはどういう意味なのかを人に説明したくなる。その気持ちを大事にして文章を書く。というより、キーワードを補足する説明を「つける」という感覚。書こうとすると、なかなか筆がすすまなくなることが多い。「そのキーワードってなんですか?」に対する問いに応える気持ちで。字数は400字〜。最低400字ぐらいかけないと、そもそもキーワードとしてあげることがふさわしいかどうかを検討することになる。多くかける分にはいくら書いてもOK。

キーワード50を入れ替える

50個のキーワードに文章をつけていくと、新たなキーワードが上がってくることが多い。「これは入れたい」「これはやめよう」などなど。そう思ったら、その都度キーワードを入れ替える。キーワードの間の関係性は特に意識しなくてもよい。この作業は楽しめると執筆は楽しく進められることが多い。よほど時間がとれる人とか書き慣れている人でない限り、このプロセスの時間はかかると思ったほうがよい。今、進めている事例だと2ヶ月半ぐらいかかっている。急ぐ必要はない。

キーワード50を目次構成案にする

キーワード50とその補足が書けたら、ここからは書籍にするためにどういう順番で並べたほうがよいかを検討する。これも一定のパターンはないのだけど、すべてのキーワードを俯瞰し、キーワードを分類する。今の事例だと「仕事紹介&自社の課題」「業界の問題点」「課題への取り組み」「著者の人生」「将来の展望」などなど。このケースは「課題への取り組み」をハイライトすべきだと思っている。つまりこれが書くべきテーマだということ。どこをハイライトするかは皆違う。ここの見極めが大事。

全体の流れから足りないところを補足する

今手元にある文章は、キーワードとその補足なので、全体の流れを意識したものではない。目次構成案を作ると、「情報の抜け」が見えてくる。そこを明らかにして、著者と内容を再度吟味して、取材するか新たに原稿依頼をする。

文章を修正し、表現を整える

ここでようやく文章を触る。表現や字句の統一などもここで意識する。構成案を固めてから文字の修正に入ったほうが絶対に効率的だ。全体から部分の流れ。全体が見えれば、その流れの作り方は、こちらのほうで考えられる。著者は全体を見せることが大事。こちらが見えないものは組み立てようがない。

以上が大きな流れ。文章の作り方はもちろんこれだけではないけれど、この作り方が有効な人もいる。ぜひトライしてほしい。

※クライアント参照用

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