最近のビジネス書には、1文が1段落で構成されているモノがある。1文ごとに改行されているのだ。文と段落の違いはなんだろうかと考えさせられる。こういう処理をするのは、著者というよりも編集者の意向が強いと思わるが、その意図は何なのだろうか。

わかりやすさを追求するのは編集者の使命だけど、それは読者の理解力を低く見ていないか?ということを常に意識しないといけないと思う。こんなこと当たり前だけど、実行しようとするとかなり難しい。読者の理解力もさまざまだし、自分が「わかりやすい」という基準もさまざまだ。編集者は本を作っている限り向き合わないといけない問題だと思う。

冒頭の処理をするのは、わかりやすさを表現をするため、というのであれば、それは読者の国語力を低く見ているということだ。ページ数を増やすため、というのであれば、言語道断だ。ほかに理由はあるのだろうか。

個人的には、1文1段落の本をみると、読む気がなくなる。文章が、文ー段落ー項ー節ー章ー部で構成されている場合は、最初の2つが同じレベルで語られているということになる。それだけ内容が薄いという判断になるからだ。自分が作っている本では、1文1段落で読みやすい!と言っている人のイメージはわかないし、そういう本を作ってしまったら、著者が安くみられる可能性はないかのほうが気になる。

作り手の思惑はいろいろなところに反映されているが、それは編集者の意図なのか、著者のそれなのかを読者が知るすべはないのだ。

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