Be tangible, Be extraordinary.

数ヶ月前にお会いしたスーパー編集者から聞いたことばだ。編集に携わる人のあり方を端的に示している。extraとは「余分の」という意味でよく使われるが、ここでは「特別(上等)の」という意味だ。

「ふつうより上等」でいるためには、「見るもの、触るもの、聞くもの、食べるものすべてを普通以上のものにせよ」「極上のものに身体に刻め」というのが彼のメッセージだった。

その極上は「贅沢」とか「一流」などとは意味が違う。自分がスゴイ!と思うことに触れることなんだと解釈している。人と同じことをやっていて、人より高い実績を出すことは、ありえない。だから日々日々その極上に触れることが大事なのだ。

その結果として、その経験がよりよい編集物を生む。

出版は著者のふんどしを借りて商売をしているようなものだ。本は一義的には出版社ではなく著者で選ばれる。

ただ著者の「極上性」で出版の仕事をするのは限界を感じる。どういう気持で、そのコンテンツを世に出そうとしているのか。作り手のあり方が問われている。

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