書籍の企画を立てるときに、競合書をチェックしてどれだけ売れれているかを調べるのは編集者の仕事です。競合書からヒントをもらえることもたくさんあります。ただ自分はこの作業をクライアントにもやってもらっています。自分の書きたいものがすでに書かれていないかどうかを確認するためです。

もっと言うと、読者もそのジャンルの本を読みまくっていて、相当詳しい場合だってありえます。そういう人に、「どこかで読んだことがある」と思われては買ってもらえる可能性は少なくなります。執筆経験のあるクライアントは「執筆依頼があったので、根こそぎ関連書を読みまくった」と言っていました。そこから書くべき内容を落としこむのは大事なことですが、テーマが大きければ、編集者と著者が一緒になって研究しても、カバーできないことだってありえます。だからこそ、一緒にやる必要があるのです。

特に、本を書きたい人が紹介でビジネスが回っている場合は、要注意です。紹介であれば、特に目新しいことをいわなくても、「信頼」で仕事ができてしまうかもしれないからです。目の前の人に口頭で結果を出すのと、書籍として新しい価値を生み出すのは別のことです。

と簡単に書きましたが、競合書はホントに難しいです。見方が多様で結論が見えないことも多いのですが、ただ、具体的な書籍をもとに議論をすると、目指す方向性と目指してはいけない方向性が見えてきます。自分のプロデュースは基本的にはプロダクトアウトですが、最終的にはマーケットイン的な発想も必要になるのです。ちなみに、今、取材中の本は、8月に類書が出たので、方向転換を考えています。

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