クライアントに書くことをお願いしている、人生のネタ帳には文字通り出版のネタが埋まっていると思っている。だからこそ、出生から今までの出来事を数十枚にもわたって書いてもらっているわけだが、その目的は、書くいている本人が、自分と向き合い、内省を深め、自分にしか書けないテーマを探すことである。あともうひとつは、もちろん自分がその人の人生を知ることである。自分は常々その人が持っているコンテンツをすべて知りたいと思っている。

 

その人の人生を知ると、本当にプロデュースが深くなる。今まで圧倒的に時間を費やしてきたことが何なのかを詳細に知り、圧倒的に業績を上げてきたことは何なのかを知ることでテーマが絞られてくる。簡単に言えば、何が強みで、何がそうでないかがわかるということだ。逆を言えば、出版企画書の書き方などを学んでもその人らしい本はかけないということだ。

 

たまに、ネタ帳に書いていないテーマで本を書きたいという人がいるが、それはおそらくヒット本を見て、「そのぐらいだったら自分にも書ける」と思うことからくる。ただ、そのような思いつきで書こうと思っても、企画が通ることはない。そのように考える人は多く、著者の競合も激しくなる。

 

そもそも圧倒的な実績があれば、ネタ帳に書いているはず。そこに書いていないということは、外部からインプットされたネタなのだ。シンプルなメッセージの本が売れれば売れるほど、そういう傾向が強くなるような気がする。こちらがわからすれば、「そんなことではストック本にならない」と断言できるのもネタ帳があってこそなのだ。

 

ネタ帳を書くことは、地味な作業で、とりあえずはやく本を書きたいという人には不向き。ただ、競合する著者と差別化する上でもとっても大事な作業なのだ。

 

【編集後記】

・出版実現塾は平日コースがおかげさまで満席に。もしかしたら、増設するかも。本当にありがたい限り。身の引き締まる。いろいろな出会いに感謝。

Related Articles: