この本の奥付を見ると、2011年3月20日発行と書いてあります。震災の直後だったのですね。当時の様子を考えると、あの混乱の中よく出しましたね、という感じです(というか、発売を止めたくても止められなかったかもしれませんが)。手元にある本は、6月15日発行の14刷になっています。オビには、「著者の印税は全額、ユニセフを通じて「東日本大震災」支援のために寄付させていただきます」と書いてあります。増刷の段階で、この文言を追加したのでしょう。

プロサッカー選手の初の自己啓発書

この本を手にとったとき、タイトルも含め、企画に意外な感じがしました。サッカー論やトレーニング論ではなく、メンタル術だったからです。オビには「プロサッカー選手初の自己啓発書。だれもが実践できるメンタル術」との文言があります。プロ選手は、競技にかかわらず、心と向き合い続ける人たちだと思いますが、サッカー選手の本で、心にフォーカスがあたった書物がなかったのも意外でした(自分で確かめたわけではないのですが)。ビジネス書として認識させたのも成功の大きな要因だったかもしれません。

本文の文字色はブルー

この本の本文は1色ですが、刷色はスミ(=黒)ではありません。カバー全体の基調のブルーを本文の文字色に使っています(カバーのブルーは、サムライブルーに由来したのだと思いますが)。書体は細い明朝系を使っていて、級数も小さめ。最初は読みにくいかとおもいかと思ったのですが、そうでもないです。これを決めるまでにいろいろ試行錯誤したのだと思います。用紙はクリーム系ではなく、白。文字の読みやすさを考えた結果だと思います。クリームの用紙に細い青字の本文は見づらくなるはずです。

意外性のある本

この本は企画も作りも意外です。もっと言えば、発売されたタイミングも。もっと言うと、タイトルの最後に「。」が入っている点もです。こういう本がおもしろいなと思います。内容で言えば、個人的に興味をもったのは、「36 夜の時間をマネージメントする。」の項目。1)リラクゼーション音楽を流す、2)お香を焚く、3)高濃度酵素を吸う、4)特製ドリンクを飲む、5)アロマオイルを首筋につける、6)耳栓をする、を日課にしているのだそうです。大一番の前日に、「いい睡眠を」と思っても急にできるわけではない。だから、日々にリズムを整えることが求められる、と書いています。

最後に

サッカーに興味のない人には、手に取りにくいかもしれませんが、プロの心のあり方を知るにはいい本だと思います。最近は、その人の心のあり方とその人が持っている武器の両方に関心があり、自分のケースを振り返ると武器だけに頼るといろいろうまくいかないと思っています。

==【昨日の活動・所感】==================
・午前中コンサル。機密事項が多いので、個室にて。その個別の事例から、いかに一般的にするかがポイント。

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