読書の仕方は皆それぞれだと思います。どんな本をどんな方法で読むか、それを考えることがインプットの質に影響します。幅広いジャンル手当たり次第読む、というケースもいれば、ジャンルを絞って深く読む、というケースもあると思います。

ガベージイン=ガベージアウト

今読んでいる『外資系コンサルの知的生産術』(光文社新書)の「ガベージイン=ガベージアウト」の項目に、インプットの仕方が書いてあります。

深さと広さは必ずトレードオフになります。深く、広く読むというのは一種の幻想です。広く読めば必ず浅くなるし、深く読めば必ず狭くなります。そして、その人の知的生産のベースになるようなストックというのは、浅薄な読書からは得られません。掘るだけの深みのある本を、それこそ著者と取っ組み合いをするようなモードで読むことで、その読書体験が結晶となって知的ストックに貢献します。

読み方を使い分ける

どちらかの読み方に決めなさいというよりも、使い分けしなさいということだと思います。未知のジャンルは幅広く読むのがいいですし、専門性がある分野であれば、深く読めばいいということでしょう。

書籍のタイプからレベルを知る

書籍のタイプは、文庫・新書・単行本(ソフトカバー)・単行本(ハードカバー)のようにわかれます。一般にハードカバーの本は専門性が高くなります(最近は、コストの関係で、難易度の高いものもソフトカバーで売っているものがありますが)。ソフトカバーの単行本を読んで、もっと深く知りたいと思えば、ハードカバーの本に当たるのがいいと思います。

深さと広さはトレードオフ

これは書くときにも言えますが、幅広いジャンルを深く書くのは、読むより数倍困難です。ただ、「いろいろなテーマで書けますよ」という人も少なくありません。「柔軟に対応します」ということかもしれませんが、それにしても、「何でも屋さん」の印象は免れません。たとえば、ハードカバーの単行本を書ける力のある人が新書を書くから、コンパクトな判型にエッセンスが凝縮できるという側面があります。編集者も同じで、新書ばかり作っているとハードカバーが作りづらくなりそうです。専門書を作る環境は限られますが、せめて専門書を読む時間は確保したいです。

著者と取っ組み合いをするようなモードで読む

あと大事なのは、「著者と取っ組み合いをするようなモード」になれるかどうか。このモードになれるものとして、やはり古典や名著をこの著者は薦めています。確かに、200ページぐらいのビジネス書を乱読に近い読み方をしていると、こういう感覚がなくなります。これが危険なんですよね。

最後に

著者は、この項目の締めで、こんなことを言っています。自分も含め、作る側はこういう声を心に刻んでおいたほうがいいですね。

残念ながら現在の日本で出版される書籍、特にビジネス書は玉石混淆の状態で峻別の労力はバカにならないのですが、ゴミをいくらインプットしてもやはり同様にゴミのようなアウトしか生みません。ということで、これ以上ゴミを増やさないためにも、まずは「ゴミを食べない」ように心がけましょう。

==【昨日の活動・所感】==================
・打ち合わせ連発。新たな展開になりそうなものもあり楽しみ。夜は3月まで仕事していた大学の関係者と会食。この4月から皆、大学から離れたが、それでも会えることに感謝。

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