出版には締め切りがつきものです。カッコつけて「原稿の締め切りに追われて…」と言いたがる人もいそうですが、現実は厳しく、時間配分は難しいです。

とりあえず提出する目次構成案は弊害しかない

執筆の時間は、それまでの準備によって大きく変わります。書きながら、構成を試行錯誤しながらしていたのでは、いくらあっても時間が足りません。そもそも企画書には目次構成案を提出するのが一般的ですが、企画通ったら変更する気満々(?)の著者もいます。とりあえずの構成案を出して、あとで変更しようという、いわば確信犯です。一見、出版に慣れているとも思えるこの対応ですが、実はこういう人が執筆に苦労するケースが多いです。

企画通過後にありえること

こちらとしては、企画会議に提出した目次構成案で進められるものと思っているのですが、本人としては変更するつもりなので、その修正に時間がかかるのです。そしてうまくいかなかったり、行き詰まったりすると、だいたい打ち合わせの要請がきます。「実際、書き始めてみたのですが…」と切り出してくるのですが、こちらからするとなんで今さら…と感じさせることも多いです。

書き始めないとわからないこと

もちろん書き始めないと分からないことはあるのは事実です。構成案のとおり書き始めてきたけど、意外と進まないとか、自分自身納得しないとか…。こういうケースはあり得ます。こういうこともコミュニケーションを密にしていると感じとれる可能性が高いです。こういう過程がわかると、「こちらで手伝えることは無いか」を考えるきっかけになります。「執筆のほうよろしくお願いしますー」と言ったきりなにも音沙汰なく、締め切り直前になってきて、様子を伺うようでは、編集者としてはうまくいかないはずです。

「なるはや」を使う人には要注意

編集者の中には締め切りを正確に伝えない人もいます。常に「なるはや(=なるべく早く)」と言ってくる人もいるようです。こういう人とは付き合わないほうがいいです。自分のことしか考えていないからです。そもそも「なるはや」って、ビジネスでアリエナイことばですよね。時間的に余裕があるとしても、タイトなスケジュールだとしても、締め切りの日時を明確にすれば、そんな言葉は使う必要はありません。以前、印刷所の営業マンが、「なるはやで再校出します!」と言っていました。本人からすると、やる気を見せたつもりなのでしょうが、自分とその営業の人が考えている「なるはや度」が違うので、これでもトラブルになったことがあります。この言葉はトラブルしか生みません。

正しい時間配分の中でしかいいものは生まれない

企画が通過して、発行スケジュールが確定すると、著者と編集者の間で、限られた時間をどのように配分するかがキーになります。それぞれが、自分のほうにより多くの時間があったほうがいい、と考えるのが普通です。編集者と印刷所の間でも同じことが起こります。しかしながら、著者も編集者もイラストレーターもブックデザイナーも校正者も印刷所のオペレーターも、正しい時間配分の中でしか、いいものは生まれません。急いでやってもらったけれど、やり直しが多ければ、それこそ皆が疲弊します。

まとめ

本づくりに携わる人すべてをチームと思って、自分のことだけを考えた時間の取り合いをしないことを考えなければなりません。編集者は著者との付き合いだけでなく、すべての関係者をプロジェクトチームとして考え、そのチームをどう動かすかが問われているのです。その時間配分とそれを可能にするコミュニケーションは、編集者の腕の見せどころだと思います。結論としては、当たり前すぎて、なにも特別なことではないと思う人もいると思いますが、このへんの意識が弱い人もいるのではないかと思っています。

==【昨日の活動・所感】==================

・クライアントに提出する資料探し。イメージを伝えるための資料。アナロジーとか比喩を日々どれだけ感じているかが問われる。伝え方を間違えると、関係ないことを言っているかのように思われてしまう。慎重に進めないと。

 

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